新年を迎えられましたことを謹んでお慶び申し上げます。 

 

 昨年は第2次安部内閣が発足し、アベノミクス効果によりまして、円安が進み、株価も上昇し、景気判断が上方修正され、明るさが見えてきました。しかし、4月には消費税率の引き上げやTPP問題などもあり、その後の動向を注視していく必要があります。

 

 また、東日本大震災の発生からもうすぐ3年が経過しようとしておりますが、被災地では再建の途上にあり、私ども茨城県の水産業は、今なお福島第一原子力発電所事故の影響が継続しており、水産加工品の販売への影響を受けております。

 景気回復は、我々の実感には至っていない状況で、取り巻く環境の状態は未だ変わらず、厳しい経営に置かれております。

 そのような中、2020年の東京オリンピック開催決定や「和食文化」のユネスコ無形文化遺産の登録などのビッグニュースがあり、明るい未来につながる話題に私ども水産加工業者にとって、この2つは大きなチャンスであると考えております。

 

 今年は午年の中の「甲午(きのえうま)」で、「甲(きのえ)」は、種を取り巻いた固い殻を描いた象形文字で、「かぶせる」とか「蓋をする」という意味があるそうです。植物や動物が固い殻に覆われている状態をさし、成長過程で最初の段階、即ち植物でいえば種、動物なら卵や蛹の状態で、固い殻で身を守っている様子と言えます。将来の大きな飛躍に向けて、じっくり力を蓄える姿勢も大切ではないでしょうか。表面的な知識などではなく、確かな知識とともに、ものごとの原理原則に立ち返り、本質的なものの見方が出来るように心掛け、早馬のごとく元気な日本に駆け上がって行きたいと思います。

 

 本会の運営健全化に向けて、また、水産加工業界の発展に必死の努力をして参る所存ですので、引き続き一層のご理解ご協力をお願い申し上げます。

 最後になりましが、会員の皆様のご活躍とご繁栄を心から祈念いたしまして年頭のごあいさつといたします。

                                             茨城県水産物開発普及協会

                                                会長理事 樫村 喜之